子供はなかなか大人の考えているように行動をしてくれません。
「もう少し努力すれば上手くなるのに、なんでやらないんだ!」とイライラして怒っても嫌々練習するだけで身につかないものです。
私も常日頃経験しているので、よ~く分かります。
集団で練習すれば、競争意識もあり、やる気になって取り組むのですが・・・。
野球の練習でも勉強にしても真剣に取り組ませるには、『自分で決める』ということと『適切な課題を与える』ことが必要かと思います。
1.選択させる松竹梅理論
ウナギ屋さんや寿司屋さんの松竹梅や特上・上・並やフランス料理やイタリアン料理のA・B・Cのコース。
3つのコースがあったら、多くの人は真ん中を選ぶそうです。
真ん中を選ぶ人が多いのは、松はぜいたくだけれど、かといって梅を頼むのは何となく格好悪いという心理も働いているかもしれませんね!。
選択肢が3つに増えると・・・
これをもっと科学的に実験してみると、AとBの2種類しか選択肢がないと半分ずつに回答が分かれるそうです。
そしてCを加えて選択肢を3種類にすると、(A)2割、(B)6割、(C)2割という割合になったということです。
まさしく人は、真ん中を選ぶという心理が働くことを実験で証明されています。
自宅で練習する代表的な“素振り”を親御さんが子供に50回やらせたい時には、
- 20回
- 50回
- 200回
と3つの“素振り”の回数から子供に選ばせるのです。
モチベーションや、その日の体調などで50回の素振りを選ばないことがあるかもしれませんが、何回も3つの選択肢から選ばせて見て下さい。
気が乗らない時や嫌々する時には、楽な回数を選びますので、そういう時には使わない方が良さそうです。
- 優しい練習量
- やらせたい練習量
- ハードな練習量
如何にやらせたい練習量を選ばせるようにするか親御さんの腕の見せ所ですね!
3つの選択肢の中からですが、子供が自分で選んでいることには変わりありませんので、自主的に練習に取り組むことでしょう。
2.モチベーションの方程式
子供に練習や勉強をしてほしいのに、なかなかやる気が起こしてくれないことはありませんか?
“松竹梅理論”でも触れましたが、やらせたい練習量は簡単すぎもせず、難しすぎることもない練習量=ちょうど良い練習量(難易度)ということも分かっていただけたと思います。
心理学者のアトキンソンは、モチベーションの高さは次の方程式によって導くことができると言っています。
【モチベーションの高さ】=【達成したいという動機】×【課題の魅力】×【成功報酬】
分かりやすくするために言葉を置き換えると・・・
達成したいという動機:物事に取り組む理由
上手くなるためとか動機が決まっているのでここでは数値で表すと〈1〉にしておきます。
課題の魅力がない=難易度が高い(1~)
課題に魅力がある=難易度が低い(~10)
【モチベーションの高さ】=〈1〉× となります。
つまり、モチベーションを高めるためには、 、 を大きくすればいい、ということになります。
難易度が低くて達成感が感じられるものは、モチベーションがアップするということです。
難易度が低くて達成感が感じられる???『1』から『10』までの数値で表してみましょう!
素振りを例にしてみます。
「素振りを10回やろう!」
この回数は、小学生としたら難易度がとても低く課題に魅力があるので数値で表すと『10』にします。
達成感はどうでしょう?
さほど嬉しくはないですよね!
とすると達成感は低いので『1』です。
〈1〉×10×1=10
モチベーションの高さは『10』となります。
では、「素振り500回!」
これは、ハードルがかなり高いので、難易度が高く出来そうもないので課題の魅力がないということになり数値で表すと『1』になります。
達成感は、出来たとしたら最高の気分になると思いますので、『10』ですよね。
〈1〉×1×10=10になり、モチベーションの高さは先ほどと同じということになります。
気づかれたと思いますが、課題の魅力と達成感は反比例の関係になります。
課題の魅力がある時は、安易にできるので達成感が“低くなり”、難しい課題は出来た時の達成感が“高くなる”といううことです。
それでは、ちょうどよい練習とは・・・?
課題の魅力を真ん中の『5』
達成感も真ん中の『5』
〈1〉×『5』×『5』=『25』
モチベーションの高さが『25』となります。
又、回数が5000回だとどうでしょう?難易度が高すぎて出来ないので『1』どころか『0』になってしまい、モチベーションの高さも『0』になるのです。
是非、モチベーションの上がる“ちょうど良い練習”を方程式に当てはめて、させてみてください!