目次
1.軍隊方式の名残が残っている?
今の世の中、TVを見ればスポーツにおける体罰やパワハラの問題が、毎日のように取り上げられています。
しばらく聞かないなと思ったら、また別の競技で・・・。なぜこうも繰り返されるのでしょうか?
昔ながらの軍隊方式が根強い?
私どもの子供のころは、体罰は当たり前でした。
先生をはじめ、目上の人や先輩の言うことは違っていても逆らうことが許されない時代でした。
そして、逆らえばパワハラや体罰が行われていました。
軍隊であれば「上官の言うことが聞けないのか!」と同じような調子で。
現在の指導者は、ちょうど体罰やパワハラを受けて育ってきた年代なんだと思います。
体罰などが当たり前のように行われていたので、特に違和感もなく自分もそうだったから「強くなるためには、上手くなるためには、必要なことなんだ」という考え方から抜け出せないでいるんです。
2.勝つことがすべてではないというが
強いチームの指導者こそ陥いってしまいがちな勝つためには、子供のゆっくりした成長を待ってられないのです。
今は、野球人口の減少でチーム内の人数も少なくレギュラー争いも熾烈ではありません。
指導者の求めているレベルになくても試合に出さなくてはなりません。
そんな中でも勝ちたいと思ったら、口調も強くなってしまいます。
強いチームでいい思いをした過去が忘れられず、自分の名誉やプライドが捨てきれずにいるのです。
「昔は、あの人のチームは強かったのに」と思われている錯覚にとらわれて、子供たちのレベルに合った指導ができなくなっているのです。
3.子供の質の変化についてっていない?
子供一人ひとりは、昔も今も本質そのものは変わっていないと思います。
それこそ昔は、野球をする子供であふれていました。
公園でも野球をする姿が見られ、ある程度キャッチボールはできルールも誰かに教わるまでもなく、そこそこ知っていました。
ところが最近は、「このくらいはできるだろう」、「このくらいは知っているだろう」ということが、出来なかったり知らなかったりするのです。
そのギャップがストレスになることもあり、体罰に向かうこともあるという事例が報告されています。
以前、私事ですが、『フライを捕球できない』、『すぐ諦めてしまう』6年生の子供がいました。
つきっきりで捕球の仕方を教え、フライ練習のノックを集中してやったことがあったのですが、それがパワハラだと受け取られクーデターに発展したことがあります。
こちらが良かれと思ってやっていることが、当の本人や親は快く思っていなかったみたいです。
4.これだけ体罰やパワハラが問題になっているのに指導が以前のまま
いろいろなスポーツで、体罰やパワハラが問題になっているのに今の子は怒られなれていないから、親が甘やかして育てているから「怒りつけてやるんだ!」みたいな指導者がいます。
「うちの子には厳しくしてください!」、「怒りつけてやってください」という親御さんも中にはいます。
それではいつまでたっても旧態依然としたままです。
5.どうすれば指導者の体罰はなくなるのだろうか?
Ⅰ)指導者の皆さん!あきらめも必要
言葉のイメージが悪いかもしれませんが、勝つことをあきらめ、期待することを諦める。
勝ちたいと思うから、期待をするから、結果を求めるから腹が立ち体罰をしてしまう。
Ⅱ)指導者は見守る
出来ないと分かっていながら、ついつい求めてしまう。
『失敗したっていい』と見守れるようになれれば、腹立たしくなることもイライラすこともなくなる。
Ⅲ)指導者の交代をする
どうしても、指導者が体罰やパワハラを認めない場合や必要「悪」だというのであれば交代してもらう。
また、あまりにも改善されないのであれば、後援会でしっかり議論して辞めてもらいましょう。
その人がいなくなっても何とかなります。
そのためには、人事権は後援会(父母会)にするような体制や規約作りが必要です。
Ⅳ)指導者本人が苦しんでいる場合もあります
責任感の強い人にありがちなのですが、本人がダメだと分かっていても歯止めが利かなくなっているケースもあります。
その場合は、勝敗とは無縁な初心者クラスなどに配置転換をしてあげてると気が楽になり穏やかになることもあります。
6.スポーツ=楽しいもの
少年野球の人口が、減少しているひとつの原因が、指導者にあるとしたら、とても残念です。
何かあれば、騒ぎになるこのご時世で指導者は、チョットした言動や行動で血祭になります。
が、この際、沢山の膿を出して、スポーツの本来の姿になれればいいと思います。
古い体質からスポーツ界が変わるチャンスが今、きているのです。