球仁球仁

指導者として恥ずかしい話ですけれど、避けれないことなので参考にしてください。兆候を見逃さないことが大事ですね!


少年野球で実際にあった監督の暴力!体験談。

試合や練習中におけるミスについての行き過ぎた指導

1)体罰があったチームの実績や構成

私は現在26歳の男性です。契約社員として会社勤務をしていますが、少年野球やスポーツには一切関係のない仕事です。
私の場合は自分が野球少年だった頃の体験談となります。私が通っていた小学校では学校の野球部(小学校なので同好会という表現が正しいかもしれません)は高学年からではないと入部できない規則があったので、私は学外での野球活動をすることにしました。
お世話になったチームは市内の少年野球チームではそれなりに優秀な成績を残しており、私の代が主力としてプレーしていた頃はありませんでしたが、先輩の代では県大会の上位入賞チームの常連でした。私が主力として試合に出るようになってからは市大会での準優勝が最高でした。
私のように学校の規則によって学外での野球活動を求めている子供たちを受け入れてくれていたので、低学年と中学年の子が合わせて20人くらい、高学年の子は30人くらいいたと記憶していますが、より良い環境を求めて学校の部活動から移っていきた子もちらほらいたので、もう少し多かったかもしれません。
全体をまとめ、チームの主宰でもある監督は一名、低・中・高学年と三段階に区切っていたのでコーチは一人ずつ三人いましたが、正式なコーチの他にも野球経験のある親御さんも手伝っていました。

2)体罰をする監督の人柄

私や他の子が体罰を受けたのは監督からでした。当時監督は50代であったと記憶していますが詳細な年齢までは覚えていません。職業に関しても自営業の傍ら野球を指導しているということだけ聞いていたので詳細はわかりませんが、大学まで野球をやっていたようです。前述の通りチームの成績は良く、学校の宿題を教えてくれる、食事会を開いてチームの親睦を図るなど監督は信頼されていたと思います。市内の中学生チームとも接点があり、優秀な選手をそちらのチームへと入団できるよう交渉してくれることもあり、野球を上手くなりたい、続けたいという願望に対しては誠実な人だったと思います。

3)体罰はなぜ始まったのか?

私が入団した頃は体罰を目にすることはほとんどありませんでしたが、前述の強かった先輩の代が抜け、私たちの代が主力となった頃から増えてきました。
優秀だった先輩たちを指導してきたので、私たちが不甲斐なかったのは言うまでもありませんが、優秀な代を率いて結果も残し、評判が上がるにつれ監督もプレッシャーを感じていたのだと思います。そのせいか、私たちが試合中や練習中にミスをすると激昂する機会が増え、特に練習中にミスを多発し、修正できなければ体罰という流れができていました。
殴る、蹴るといったことはありませんでしたが、頭を軽く叩く、小突くということはありました。今の時代はそれも認められないと思いますが、当時はそれに関してあまり大事にはなりませんでした。それよりも罰則として厳しいランニングを課す、至近距離から監督のノックを受けるといった、小学生への指導としては厳しすぎるような罰があり、そちらを問題視されていました。
ミスを滅多にしない優秀な選手はもちろん罰を受けることもなく、私のような二流、三流のプレイヤーは技術的にも精神的にも未熟で、よくミスをしていたので、ミスが多い子ほど体罰の対象となっていました。なので監督が個人的に気に入らない、生意気な子だという理由で罰を与えることはなかったと思います。

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毎年チームの構成が変わる中で、勝たなければならないというプレッシャーが原因の例です。どうしても強い時の子供と比べてしまいます。

4)体罰の影響と周りの大人たちの様子

体罰が増えてきてからは我々もどこか萎縮して練習や試合をするようになりました。のびのびとプレーするというより「監督に怒られないように」とか「罰を受けるのを回避するため」という気持ちで怯えながら野球をしていました。
私が小学生の頃は現在のように体罰を含めたコンプライアンスに関してまだ緩く、保護者やコーチも頻繁に体罰を受けて育ってきた世代だったので「ある程度は仕方ない」という論調であり、半ば容認されているような様子でした。
しかし徐々にチームに綻び出るようになりました。ミスが多く体罰を頻繁に受ける子が自身と上手な選手の扱いについて「不公平だ」と言って退団し、上手な選手もチームの雰囲気に耐えかねて他の少年野球チームへと移籍することが増えました。

5)解決に至る経緯

罰に怯えてプレーをしているせいか成績も伴わなくなり、主力選手の退団や移籍といったこともあり、監督コーチと保護者がミーティングを開きました。先程も書きましたが周囲の大人は体罰が容認されていた世代だったため、監督のやり方に関して否定的ではなかったと思います。殴る、蹴るといった暴力さえなければ、それ以外は全て「野球が上手くなるための指導である」というのが共通認識だったのでしょう。
ですがこれほどチームの成績が悪くなり、雰囲気も悪いのはやはり監督による体罰が増えてきたからではないかということが指摘され、それについて認識や指導方法を改めていくと決まったと、私も親から聞かされました。後、監督とコーチはチームミーティングで謝罪しました。

6)問題解決後のチーム

このようにして私の所属していたチームでの体罰問題は解決しました。
監督にはたくさん可愛がってもらい、お世話になったので匿名とは言え監督の名誉のために補足しますが、監督の体罰は「機嫌が悪い」とか「こいつが気に入らない」という理由で行われていたものではないと信じています。とにかく野球に対して情熱的で、練習に対して真摯に取り組むことをチームにおける一番の方針として掲げていたので、優秀な先輩の代が抜け私たちが腑抜けて見えたのかもしれません。
だからといって体罰が容認されてよい理由にはなりませんが、その後は監督が自ら行き過ぎた指導であることを認め、チームの雰囲気を改善するよう努めてくれたおかげで、その後は楽しく野球ができましたので、他の選手はわかりませんが私個人として遺恨はありません。

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監督は行き過ぎた指導をわかっていたんだと思います。どこかで、ブレーキをかけてほしかったのではないでしょうか。監督がこのように謙虚な方だと参考になる解決法ですね!